【格安SIM】端末選びで知っておきたいこと

格安SIM
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格安SIMの契約と並行してスマートフォン探しをする場合に、意外とココまで調べる人が少ない、そして筆者もやらかしたことのあるスマホの対応周波数。。

昔、入手した海外SIMフリー端末なのだが、日本の格安SIMとは周波数帯(バンド)が合わず、、「なぜ繋がりにくいんだろう」とかやっていた(笑)

備忘録としても、後続の人を出さない為にも(?)また海外版に限らずSIMフリー端末やSIMロック解除からの他社MVNOへ乗り換えを検討している人に向けても記事にしてみたいと思った。※海外モデルを国内で使用する場合は技適マークの有無まで注意する必要がある。

周波数帯(バンド)とは

周波数帯とは電波の周波数の範囲である。バンドともいう。

そもそも電波の周波数とは、1秒間の電波の波長を繰り返した数であり、この数字が大きいほど伝送できる情報が多いが、直進性が強く遮蔽物に弱い。逆に周波数が小さいと伝送できる情報は少ないが、直進性が弱く遮蔽物に強い。

これらはHz(ヘルツ)という単位で表され、例えば、Band19のプラチナバンドと呼ばれる800MHz(メガヘルツ)帯は、710~960MHzの範囲の周波数帯であり、NTTドコモは総務省より30MHz幅の帯域幅を割当てられている。ちなみに使える帯域幅が広いほど通信速度は速くなるという。通信速度は1秒間のトラフィックを表すbpsが一般的に使われる。

このように日本の各キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)では、限られた周波数帯のうち総務省が割り当てた同一またはいくつかの異なる周波数帯を使用していて、スマートフォンなどの端末はそれぞれの周波数帯を掴むことでSIMカードによる通信をしている。

極端に言えば、キャリアが使用するLTEや3Gの周波数帯に一つも対応していないスマートフォンに国内のSIMを刺しても通信が出来ない。しかしながら冒頭の海外向けSIMフリー端末などであっても一つくらいは対応していたりする(使えるかどうかは別)。

購入を検討している端末が、契約予定のキャリアやMVNOの使用する周波数帯すべてに対応していることが理想で、最低限対応してなければならない周波数帯もあるが、いくつか対応していないとしてもそれが主要な周波数帯でなければ問題なかったりもする。さしずめ重要なのはどの周波数帯が対応しているかであり、主に携帯電話を使用する地域や用途によってもそれは変わってくるといえる。特にキャリアごとに使用する周波数帯も異なるのでキャリア端末のSIMロック解除後や海外SIMフリー端末などは注意が必要である。

3Gや4G LTEとは

3Gとは第3世代移動通信システムのことで、「3rd Generation」から「3G」といわれている。日本のキャリアではW-CDMAやCDMA2000などの通信方式が採用されている。

4Gとは第4世代移動通信システムのことで、「4th Generation」とのこと。厳密にはLTEを含まず、LTEとは3Gと4Gの中間過渡期の技術であるといわれている。ドコモでは3.9G、キャリアによって4Gと呼んでいる。

さらにVoLTE(Voice over Long Term Evolution)やVoLTE(HD+)といった通信技術規格もある。

LTEではパケット通信のみをサポートし回線交換が出来なかったため、VoLTE登場以前は電話番号を使用した音声通話であれば回線交換方式を用いた3Gに接続し、メールやインターネットといったデータ通信にはパケット交換方式のLTEが使用されていた。VoLTEはそのLTE網でパケット通信による音声通話などを実現するための技術で、回線交換による遅延をなくし通話品質の向上が主なメリットだが、パケット交換方式でありながら音声通話料として計上されるしくみなどがあり、少々ややこしい。

3Gエリア LTEエリア

各キャリアで3GやLTEを提供するエリアが違ってくる。3Gについては停波予定のキャリアもある。FOMAプラスエリアといって、ドコモが提供する山間部や僻地までカバーした3Gエリアもある。

また、LTEエリアから離れたり音声通話をする場合には自動的に3G回線に切り替わり、そこが3Gエリアでもなければ端末は圏外となる。現在キャリアでは前述したVoLTEやVoLTE(HD+)などが利用されていて通話品質も向上したが、一方でその恩恵を享受する条件に、双方がVoLTE対応端末であること、LTEエリア内での通話であること、とありボトルネックな部分も拭えない。となると、やはり2019年現在も3G回線は無視できないようだ。

出典元:NTTドコモ 通信・エリア

出典元:au エリア

出典元:ソフトバンク サービスエリア

周波数帯の見極め

上述したように、格安SIMや端末購入を検討するにあたり、主に都市部やLTEエリア内で携帯電話を使用する人はそれほど気にする必要はないのかもしれないが、山間部やLTEエリア外での携帯電話の使用、電話番号を使用した音声通話がメインの方は、検討する端末の3Gの周波数帯の対応状況まで確認しておく必要がある。

例えば、他キャリアからのSIMロック解除後の乗り換えや海外SIMフリー端末でドコモ系MVNOを使おうとした場合、端末がW-CDMAのBand6に対応していないとFOMAプラスエリア非対応となり、山間部やLTEエリア外に住む人など地域によりまったく使えない、なんてことになる可能性もある。

基本的には、キャリアごとにメインバンドといわれる主要周波数帯があり、その他のエリアや用途をカバーするように他の周波数帯が用意されていると考えていい。なので端末が契約先のメインバンドに対応していることは勿論だが、その他はユーザーが主に使用する地域や用途によっても必要な対応バンドは変わってくる。

以下は、キャリア(MVNO)が使用する周波数帯の表と、端末の対応が望ましい周波数帯の簡単な解説。

バンド(周波数帯) NTTドコモ KDDI au ソフトバンク
Band 1 (2.1GHz帯) LTE
W-CDMA
LTE
CDMA2000
LTE
W-CDMA
Band 3 (1.7GHz帯) LTE LTE
Band 6 (800MHz帯) W-CDMA
Band 8 (900MHz帯) LTE
W-CDMA
Band 11 (1.5GHz帯) LTE LTE
Band 18 (800MHz帯) LTE
CDMA2000
Band 19 (800MHz帯) LTE
W-CDMA
Band 21 (1.5GHz帯) LTE
Band 26 (800MHz帯) LTE
CDMA2000
Band 28 (700MHz帯) LTE LTE LTE
Band 41 (2.5GHz帯) WiMAX AXGP
Band 42 (3.5GHz帯) TD-LTE TD-LTE TD-LTE

LTE

Band 1 (2.1GHz帯)

ドコモauソフトバンクが共通して運用する主要周波数帯。国内の端末ではほぼ対応していると思われる。この周波数帯は必ず対応しておきたい。海外でも使用されているため対応する端末は多いが、海外SIMフリー端末を選ぶ時も確認しておきたい。

Band 3 (1.7GHz)

ドコモでは主に東名阪エリアで運用されている周波数帯。ソフトバンクでは主要周波数帯の一つ。auでは使用していない。

Band 8 (900MHz)

ソフトバンクのいわゆるプラチナバンド。低周波数のため、伝送できる情報は少ないが建物の中や遠くまでよく届く。ドコモ、auは使用していない。

Band 11 (1.5GHz)

auソフトバンクが運用するトラフィック(データ量)対策としての補完的な周波数帯。必須ではないが、対応していると良い。ドコモは使用していない。

Band 18 (800MHz)

auの主要プラチナバンド。低周波数のため、伝送できる情報は少ないが建物の中や遠くまでよく届く。ドコモ、ソフトバンクは使用していない。

Band 19 (800MHz)

ドコモの主要プラチナバンド。低周波数のため、伝送できる情報は少ないが建物の中や遠くまでよく届く。au、ソフトバンクは使用していない。

Band 26 (800MHz)

auの運用するプラチナバンド。Band18を内包しているが、端末によってBand18には接続できないなど少々ややこしい。au系SIMを使う場合、Band18かBand26のどちらかまたはどちらも対応していることが望ましい。ドコモ、ソフトバンクは使用していない。

Band 41 (2.5GHz)

au系WiMAX、WiMAX 2+の周波数帯。

Band 42 (3.5GHz)

キャリアアグリゲーションと呼ばれる、複数の周波数帯を束ねて高速通信を実現する技術を用いた周波数帯となるので対応しておきたい。キャリア3社使用しているが、通信速度には違いがある。

3G (W-CDMA)

Band 1 (2.1GHz)

ドコモではFOMAサービスエリアとして、ソフトバンクではSoftBank 3Gとして運用している周波数帯。

Band 6 (800MHz)

ドコモのFOMAプラスエリアとして運用されている周波数帯。山間部などでドコモ系MVNO運用の際は端末の対応状況を確認しておきたい。

Band 8 (900MHz)

ソフトバンクのプラチナバンドとして運用。

CDMA2000

auの3G回線であるCDMA2000は特殊であり、対応する端末も少ない。そのため他キャリア端末や海外SIMフリー端末からのau系MVNO運用はVoLTEでの音声通話がメインになりそうであるが、仮にauのLTEの周波数帯に対応している端末であってもファームウェアが対応していないとau VoLTEが使えるとは限らないなど、やや複雑であるため元がau端末であることがより確実といえそうか。

以下は、キャリア端末をSIMロック解除の際に見ておきたい各キャリア端末の対応周波数一覧。

出典元:ドコモ SIMロック解除対応機種および対応周波数帯

出典元:au SIMロック解除が可能なau携帯電話などの実装周波数帯一覧

出典元:ソフトバンク SIMロック解除が可能な機種の周波数帯一覧

技適マーク

総務省が定めた、技術基準適合証明か技術基準適合認定のどちらかまたはどちらも認証されていることを示す技適マーク。

この技適マークが無い携帯電話端末などの無線機を使用すると電波法違反となる場合がある。国内向けの端末ではまず大丈夫だと思うが、海外SIMフリー端末などは技適を通っていない端末もあるため注意が必要だ。

技適の有無の確認方法はいくつかあるが、携帯電話端末(Android)であれば、設定アプリ→端末情報→認証や法的情報などで確認できる。スマートフォンメーカーによって内蔵バッテリーを外したところに印刷されている場合もある。

また、技適を取得した端末かどうかは購入前に総務省のWEBサイトでも確認できる。

技術基準適合証明等を受けた機器の検索

まとめ

色々と書いてみたが、備忘録としての要素が強く当ブログは通信品質等を保証するものではない。また、各周波数帯やLTEエリア、3Gの対応含め、これからは5Gへの移行まであり今後は様相が変わっていくものと思われる。

とはいえ、初めての方にとっては事前知識として覚えることが多くハードルが高く思われがちだったキャリア乗り換えやMVNOとの契約も、最近では端末のセット販売やスマホメーカーなどもMVNOとして参入し始めており、消費者が誤って非対応の端末を購入してしまうなどの懸念も解消されつつあるようだ。

以上を踏まえ、オススメしたいMVNO。








IIJmio(みおふぉん)


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