MVNOという言葉を聞いたことがあるだろうか。
聞いたことない人でも「格安SIM」なら一度は耳にしたことがあるはず。
筆者はこの格安SIMをもう5年ほど使っているが、色々な人に聞いたところ意外と反応が薄かったので、記事にしてみようと思った。
「月々の携帯電話料金を少しでも安くしたい」という方や「やむない事情でスマホはWiFi運用」といった方も是非見ていってほしい。
格安SIMとは
格安SIMとは、主にスマートフォンで使える格安のSIMである。どれぐらい格安かというと、契約プランや用途にもよるが、3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の月々の利用料金が7000~10000円ほどであるのに対し、格安SIMでは2000~3000円ほどと、およそ5000円ほど安いと言われている。
SIMとは?
SIMカードとは、キャリアから貸与され携帯電話の回線加入者を特定するためのID番号を記録したICカードのこと。これに電話番号を紐づけることで通信を可能にしている。
キャリア契約をした際、ショップで最後にSIMカードを装着するのはよく見る光景だと思う。通常、ユーザーはこのSIMカードを触ることはないが、格安SIMに切り替えたい場合などはこれを抜き差しすることになる。このSIMカードには規格があり、マイクロSIM、ナノSIMなどといって大きさも違うものが存在する。スマートフォンの機種によっても使用できるSIMの規格が決まっていたりするため、回線移行などの際はあらかじめ確認しておく必要がある。
また、キャリアで購入した端末には他の通信事業者のSIMが利用できないようにロックが施されているのだが、これをSIMロックという。2015年ごろよりSIMロック解除が義務化され現在ではSIMロックを解除すれば他の通信事業者のSIMも使えるようになった。
SIMフリー端末といって、はじめからSIMロックが解除されているスマートフォンもある。
SIMを差し替える際の注意点
規格も確認すべきだが、そもそも差し替えるSIMとスマホの周波数帯が合わない場合もある…。
MVNOとは
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、前述の格安SIMなどを取り扱い、通信サービスを提供する仮想移動体通信事業者のこと。
そもそもMVNOは自社に基地局を持たず、MNO(ドコモ、au、ソフトバンクなど)の回線を借りて通信サービスの提供を行っているため、回線維持費や広告費、人件費などのコスト削減につながり、さらには価格競争も相まって格安のSIM提供が実現しているという。
また、MNOごとに使用周波数帯が異なるため、MVNOの取り扱うSIMカードはドコモ系、au系、ソフトバンク系のように大別され、事業者ごとに扱う回線やサービス内容も変わる。つまり、現在ではMVNOとして多くの事業者が参入しているが、ユーザーはユーザーの持つ端末によっても選ぶMVNOは変わってくる。
MVNOにするメリット
LINEなどのデータ回線での通話がメインの人やWiFi環境以外でのネット使用をあまりしない人にとっては、とにかく安い。しかしこの背景にはキャリアの料金が高すぎたのもあるかもしれない。現在のパケホーダイみたいなプランが無かったガラケーの時代まで遡ると、ちょっと使い過ぎれば月のパケ代だけでウン万円かかり(当時のパケ死)、加えて通話料、プランの料金まで支払っていたことを考えれば、安すぎるといってもいい。ともすれば、これぐらいが妥当なのではないかとも考える。
例として、筆者の友人でかつて主要キャリアの全回線をコゲつかせた人がいる。当時、友人は白ロム片手に世知辛い世を憂い尚も回線契約を求めていて、ある時MVNOの広告を見つけたと言ってきた。まだMVNO黎明期だった当時、多くの業者ではデビットカード決済での契約も可能だったという(現在ではクレジットカードが必要な場合がほとんど)。必要書類を揃え満を持して契約の手続きを済ませ、それからわずか一週間ほどで「業者から審査通過のメールとSIMカードの入った封筒を受け取った」と言っていた。一瞬、何を言っているのか分からなかったが(笑)彼は音声回線の携帯電話(スマホ)を再び手に入れたのである。数年前の話であるが、この復活劇を筆者は今も忘れられない。。(くれぐれも料金滞納には注意)
上記のように何らかの事情により、キャリアとの契約が困難な場合でもMVNOなら契約できたりするケースもある。ただし審査してみないと分からない。
いわゆるキャリアの2年縛りといったような、最低利用期間というものがなく解約手数料もかからないMVNOもある。
余っているスマホやタブレットも有効活用できる。
最近では増えてきたようだが、店舗を構えていない関係で申し込みから契約までネットで完結しやすい。
MVNOのデメリット
MVNOは「MNOの通信インフラを借りて運営している」関係で主要3キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)に比べ通信速度も遅く、混雑する時間帯などは速度不安定になりやすいため、ソーシャルゲームなど回線速度に依存するようなアプリのヘビーユーザー向けではないかもしれない。重要な局面ではやはりWiFi運用が望ましいか。
低価格ゆえ3GB、5GB…といったキャリアより低い通信容量の制限を設けているので、外出先などWiFi環境以外でのネット使用が多い人には向かないかもしれない。
菅官房長官の発言により、2019年内には3キャリアの値下げが実施される可能性があるため、MNO既契約者のMNP転出などは得策ではないとする向きもある。
キャリアからMNP転入の注意点
キャリアメールが使えなくなる。
一部アプリでキャリア認証の必要がある機能などは使えなくなる。
補償サービス等もなくなるため、スマホ故障時など修理の際は自己負担となる。
キャリア決済が出来なくなる。
オススメMVNO
以上を踏まえ、契約を検討される方におススメしたいのが、以下のMVNO。変動が激しい為、料金や通信速度、サービスなどの詳細は各事業者のHPで確認していただきたい。
端末の用意があれば、各MVNOの動作確認端末一覧や推奨端末などのページも確認できる。
端末を持っていない場合は、セットでの購入を検討してみるのもいいかもしれない。
LINEモバイル
LINEモバイルは、ドコモ系、ソフトバンク系のMVNOである。auの一部端末でもSIMロック解除することで利用できるそうだ。
クレジットカードが無い人でも申し込める。
少々ややこしいのだが、LINE PayというLINEの電子マネーサービスがあり、これはクレジットカードの登録ができる仕組みになっていてLINEモバイルのクレジットカード決済が可能だという。それとは別にLINE Payカードといって、クレジットカード同様に扱えるチャージ式のプリペイドカードがあるので、これを発行してもらい、銀行口座、コンビニなどからLINE Payカードにチャージすることで、連動する残高としてLINE Payによるクレジット決済が可能になる、らしい。(笑)
UQ mobile
UQモバイルは、 au系のMVNOである。NTTドコモ、ソフトバンクで販売されている端末は原則利用できない、とのこと。
筆者も利用したことがあるMVNOで、通信速度は数あるMVNOの中でも随一の速さを誇るという。ただし通信速度というのは各社変動しやすいので、参考程度に。
楽天モバイル
楽天モバイルは、もともとドコモ系のMVNOであったが、2018年10月よりau回線の提供もスタートしている。
クレジットカードが無くても申し込み可能で、料金支払いには口座振替やデビットカード決済にも対応している数少ないMVNOのひとつである。
また最低利用期間という縛りもなく解約手数料などもかからないそうだ。
IIJmio
IIJmio(みおふぉん)は、ドコモ系、au系のMVNOである。
筆者はこのMVNOを一番長く使っている。
なぜなら、契約当時、今ほどMVNOの数も多くなく条件が良かったことに加え、セルスタンバイ問題とかいう当時の悩みを解消してくれたことも理由としては大きい。
さらにファミリーシェアプランといって、1アカウントにつき3~4枚(?)まで追加でSIMカードを発行できるサービスが良かった。現在では、なんと10枚まで発行できるらしい。
そんなに必要か?と言われれば、それは人によるとしか言えない(笑)
まとめ
いくつかのMVNOを紹介したが、当ブログでは契約に際して一切の責任を負えない。
また当ページの説明では不十分であるかもしれない為、特に初めての方は調べるなどして慎重に検討するのが良いかと思われる。
【格安SIM】端末選びで知っておきたいことでも説明しているが、スマホの対応周波数帯、SIMの規格、MVNOの取り扱う回線、各社料金プラン等に気を付ければ、それほど難しいことはなかったりする。あるいは端末セット販売も多い今、より間違いがないのはこちらとなるだろうか。
ともあれ、この記事が何方かの参考となり自身のライフスタイルに合ったSIM選びができたならば、筆者としては何よりである。
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